被害を最も受けているのはメディア業界

映画の盗撮は深刻になっている

盗撮という手口は何も人間を対象としているわけではない、更にこの問題に関しては特定企業が被害を被ることになってしまう恐れもある問題だということだ。被写体が人間に代わり、劇場で公開されている映画を許可なく撮影して、インターネット上で公開している問題は後を絶つことなくその被害を深刻に広めている事実がある。

この問題が特に騒がれるようになったのは海賊版と呼ばれる、映画会社が許可した形で発売した正式な商品ではなく、劇場にカメラを持ち込んで堂々とその内容を録画してパソコンで処理することでソフトとして発売する手口だ。海賊版と呼ばれる商品が出始めたのは1980年代という、カメラなどの技術が大きく発展したと同時に過程でも気軽に撮影する事が出来るようにビデオカメラなどが登場したことで、劇場に機材を持ち運んで勝手に撮影して商品として売り出そうという手口だ。この頃こそ、それは現代のように厳しく取り締まっていることもなく、ある意味無法地帯ともいえる空間であった事は想像に難くない。この問題で特にダメージを受けることになるのは制作会社などだ、一般公開された映画の興行収入はもちろん、その後に発売するビデオ作品として商品リリースしたとしても、海賊版が映画公開から数日と立たずうちに商品が裏紙情を介して出回ってしまうことで、本来なら得られたであろう筈の収益を得ることが出来なくなってします。この問題はすぐさま対策を講じなければならないという結論になり、ここから劇場作品の撮影について厳しく取り締まられていく歴史が明けていくこととなる。

この問題はその後、つまり現在までいまだに問題を根本的に解決する手立ては見つかっていないのが事実だ。その理由は、歴史と共に発展して行く科学的な面での技術進化がもたらした弊害と考えた方がいいかもしれない。

先進技術品による盗撮被害の拡大

人類の傑作ともいえる科学技術だが、その技術が高くなればなるほど盗撮被害が加速度的に高くなっていき、同時に映画の盗撮も深刻さを間して行くことになる。その原因として携帯電話の、カメラ付が製品として登場したことだ。まだ静止画だけしか撮影できなければ良かったが、後に動画をある程度の時間撮影することが出来るようになったことで、誰でも簡単に盗撮することが可能になってしまった。映画館でも携帯電話の動画機能を用いて全てではないものの、一部を撮影して持ち出してしまうなどの例も出てくる始末だった。

筆者もその例を携帯が流行り始めたころに、周囲で何かと盗撮していたことを話に聞いたことがある。曰く、誰でもやっているんだから別にやったってどうってことない、というものだった。今考えてもそうだが物凄い自分都合主義な考え方だ。誰かがやっているんだから自分がやったとしてもいいだろうと、平然と思えるところが凄い。しかも悪びれたところがないのも問題だろう。

さらに技術が進展していくことでインターネットとパソコン、この2つが当たり前になるIT革命が巻き起こるとそこからは混沌だった。撮影した映像をアップロードして動画サイトで誰でも視聴できるようにしてしまうことで、そこで閲覧して公開されているにも関わらず劇場で見なくてもただで視聴することが出来てしまえるようになった。さらには動画共有ファイルを用いて交換して、というのもその例に当てはまる。この時も友人が普通に、当たり前のように利用していたことを考えるととんでもないことが理解出来る。

完全に無法地帯となってしまった映画盗撮被害は、日本国内だけで2005年までに180億という、邦画と洋画合わせての多額になった。そしてこの事態を何とかするべく動いたのが、業界最大手の企業だった。

映画盗撮に対する本格的な法律制定へ

それまでの映画盗撮の問題で指摘されていたのが、著作権では映画盗撮を完璧に取り締まれないということだった。商用目的で使用する場合ならともかく、私的に使用する目的であるなら著作権は当てはまらないといえてしまうからだ。このために著作権とは違う、映画盗撮を撮りしまうための法律を制定する必要があった。しかしそこに著作権による私的目的をかざせば無罪放免である、というわけではない。ここに映画館独自における施設管理権と観客に対する契約事項というに点に絞って考えれば、著作権に記されている私的目的というだけで罪には問われないという考えに限らず、法的に捌きを与える事が出来るようになったのだ。

どうしてか、それは映画館を管理している人間が管理権を行使して劇場内に撮影用の機材などを持ち込むことを禁止し、さらに観客達は管理者が決めた約定や規則などを遵守しなければならない義務が生じるからだ。こうすることでそれまで取り締まる事の出来なかった映画盗撮に対してメスを入れられることになる。こうした考え方が出てきたことで、当時熱心に撮影して儲けていた人々に、ようやくまともに打撃を与えられることとなった。

その後業界最大手の現KADOKAWAの取締役会長に就任している『角川歴彦』さんによって、映画盗撮に関する法を正式に設立することが急務であると苦言をもらしたことで、ようやく政府も重いコシを挙げて取り組みを行っていくことになる。この行動は実を結ぶこととなり、これが後に誕生することになる『映画の盗撮の防止に関する法律』の公布と施行へと繋がることになった。

この法律は後にアメリカなどにも影響を与えることになるが、この法案の凄いところは法案提出をしてからわずか14日で成立してしまうというスピードだったのも特徴だろう。業界が受けた被害額と事態の深刻さを鑑みれば当然だともいえる。この法律が設立されたことによって劇場作品が公開される前には必ずといっていいほど盗撮に関する注意事項と犯罪であるという警告PVが流れるようになった。盗撮問題の中では最も進展のある、有効的な解決策となった一例として見て良いだろう。

監視カメラから考える盗撮問題について